坂井市丸岡町 御料理 小松屋さま
県産材や越前瓦など、福井ならではの素材を多用。
創業は明治に遡り、地元丸岡の人たちから老舗の日本料理屋として愛され続けている「御料理 小松屋」さん。約40年ぶりに飲食スペースを改装しました。
ファサードデザインは和をふんだんに盛り込みつつ現代的なエッセンスを要所に散りばめています。入口の目隠しのフェンスは、越前瓦を用いた網目状の意匠で抜け感+モダンな雰囲気に。アプローチは桧材のルーバーの後方から光を当てることで浮遊感を表現し、玄関のガラス戸には、人を幸せにするという吉祥文様を組子細工で組み合わせ現代風にアレンジ。旅館のエントランスを彷彿させるような雰囲気で“おもてなし感”を演出しました。
和を全面に押し出したファサード。目隠しのフェンスは、福井県伝統工芸品の越前瓦を用いた網目状の意匠で抜け感+モダンな雰囲気に
ルーバーの後方から柔らかな光が漏れるアプローチ
従来、完全予約制だった同店。改装を機に、平日のランチタイムに限り、フリーの来店客も食事を楽しめるお店に変わりました。それに伴い、大きな一つの広間だった空間を、利用人数に合わせた大中小の客室+少人数でも利用しやすいテーブル席へゾーニング。若奥様は、「ランチで初めてご利用いただいたお客様から、宴会のご予約をいただくことも」と、新たな常連さんの獲得に手応えを感じているようです。
インテリアは、近所の「仲村の家具」さんでセレクト
大切な人たちとの集まりに。人数に合わせ大中小3つの客室
店作りの過程では、若夫婦とひがしかど建設の設計デザイナー圓道氏がSNSで密にコミュニケーション。「旅先などで目に止まったヒントを見つけると、すぐに圓道さんに写真を送ったりして…、約1年ぐらいそんなやりとりを毎日のようにしていました。とても楽しい時間でしたね」と奥様は笑顔で振り返ります。
「設計士の圓道さんとセンスが近かったのも良かったです」と奥様
若夫婦が旅先で見つけた骨董の藍丹。エクステリアデザインのヒントに
店舗の玄関を潜ると、存在感のある一枚板のテーブルが備わったホールスペースが広がります。「このスペースを活用した企画をいろいろと考えてるんです。貸切りのビュッフェだったり、マルシェだったり。直近では能登半島地震のチャリティイベントを予定してるんですよ」。
生まれ変わった店舗に若夫婦のアイデアが加わり、新しい「小松屋」さんとしての今後が楽しみです。
オリジナルで造作した県産材スギの厚さ25センチ一枚板テーブル×大ぶりなペンダントライト2灯をホールのアクセントに
「仕上がりにも満足していますが、相談するとすぐに来てくれるアフター対応に感動してます」